おまとめローンとは?借金一本化のメリット・デメリットと債務整理との違い
複数の消費者金融やカードローンを利用していると、「返済先を1社にまとめたい」「毎月の返済額を少しでも下げたい」と考えることがあります。そこで候補になるのが、おまとめローンです。
おまとめローンは、複数の借入れを新しいローンで返済し、借入先を一本化する方法です。金利が下がれば利息負担を減らせる可能性がありますが、借金の元本そのものが減るわけではなく、返済期間を延ばせば総返済額が思ったほど下がらないこともあります。
また、おまとめローンは債務整理とは別の仕組みです。審査に通る必要があり、一本化した後も借金は全額返済していくことが前提になります。
この記事では、おまとめローンの仕組み、メリット・デメリット、総量規制との関係、借金200万円を例にした返済シミュレーション、債務整理との違いまで整理します。
- おまとめローンとは?複数の借金を1本にまとめるローン
- おまとめローンと借り換えの違い
- おまとめローンの主なメリット
- Life On独自シミュレーション|借金200万円を一本化するとどう変わる?
- おまとめローンのデメリット・注意点
- おまとめローンと総量規制の関係
- 利息制限法上、200万円を1本にまとめると上限金利はどうなる?
- おまとめローンが向いている可能性がある人
- おまとめローンが向いていない可能性がある人
- おまとめローンと債務整理の違い
- おまとめローンと任意整理はどちらがいい?
- おまとめローンを選ぶ前に確認したい5つの数字
- 過払い金があるかは「借入期間が長い」だけでは判断できない
- おまとめローンの審査に通らなかったらどうする?
- おまとめローンについてよくある質問
- まとめ|おまとめローンは「月額」ではなく完済までの総額で判断する
- 公的機関の参考情報
おまとめローンとは?複数の借金を1本にまとめるローン
おまとめローンとは、複数の借入れを新しいローンに借り換え、返済先を1社へまとめる方法です。
たとえば、A社に80万円、B社に70万円、C社に50万円の借入れがあるとします。合計200万円をおまとめローンで借り、その200万円でA・B・C社を完済すれば、その後はおまとめローン1社へ返済していく形になります。
おまとめローンを利用したからといって、借金200万円が100万円になるわけではありません。基本的には借金200万円を別のローンへ移し、金利や返済期間、毎月の返済額を組み直す仕組みです。
おまとめローンと借り換えの違い
「借り換え」と「おまとめローン」は似ていますが、一般的には対象となる借入件数が違います。
| 方法 | 基本的な意味 |
|---|---|
| 借り換え | 1社の借入れを別のローンへ乗り換える |
| おまとめローン | 複数社の借入れを1社へ一本化する |
たとえば、A社100万円をB社の低金利ローンへ移すなら「借り換え」、A・B・C社の合計200万円をD社へまとめるなら「おまとめローン」と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、金融機関によって商品名や対象範囲は異なります。「おまとめ」と書かれていても対象にできない債務があるため、申込み前に対象となる借入れを確認する必要があります。
おまとめローンの主なメリット
おまとめローンのメリットは、単に「返済先が1社になる」だけではありません。条件次第では金利や毎月の返済負担を見直せます。
金利が下がれば総返済額を減らせる可能性がある
現在の借入金利より低い金利で一本化できれば、同じ返済額でも元金の減りが早くなり、最終的な利息負担を減らせる可能性があります。
特に、複数の少額借入れを比較的高い金利で利用している場合は、一本化による金利差が返済総額へ影響します。ただし、実際の適用金利は審査によって決まり、必ず現在より低くなるとは限りません。
毎月の返済日を1日にまとめやすい
複数社から借りていると、A社は5日、B社は15日、C社は27日というように返済日がばらばらになることがあります。おまとめローンで一本化すれば、基本的には返済先と返済日を1つにまとめられます。
返済漏れを防ぎやすくなり、毎月の資金管理もシンプルになります。借金総額そのものは減らなくても、家計管理の負担を下げられる点は実務上のメリットです。
毎月の返済額を下げられる場合がある
金利や返済期間を組み直すことで、毎月の返済額が下がる場合があります。たとえば毎月6万円を返している状態から5万円に下がれば、月1万円を生活費へ回せるようになります。
ただし、ここには注意が必要です。返済額を下げるために返済期間を大きく延ばすと、支払う利息が増え、総返済額があまり変わらないケースがあります。
Life On独自シミュレーション|借金200万円を一本化するとどう変わる?
おまとめローンは、金利だけでなく「毎月いくら返すか」で結果が変わります。そこで、Life On編集部で同じ200万円を返済するケースを比較しました。
※以下は仕組みを分かりやすくするための概算シミュレーションです。実際の利息計算、返済日、端数処理、商品条件などにより結果は異なります。
シミュレーション条件
現在は3社から合計200万円を借りており、仮に各社の金利が年18%だったものとして計算します。比較するのは、現在のまま毎月6万円返済する場合と、一本化後に年12%で毎月6万円返す場合、年15%で毎月5万円まで返済額を下げた場合です。
| ケース | 借入残高 | 年利 | 毎月返済額 | 完済までの目安 | 利息総額の目安 | 総返済額の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一本化しない | 200万円 | 18% | 6万円 | 約47か月 | 約79.3万円 | 約279.3万円 |
| 一本化・返済額維持 | 200万円 | 12% | 6万円 | 約41か月 | 約44.5万円 | 約244.5万円 |
| 一本化・月額を下げる | 200万円 | 15% | 5万円 | 約56か月 | 約79.0万円 | 約279.0万円 |
同じ200万円でも、年18%から12%へ下がり、毎月6万円の返済を続ければ、利息負担は大きく下がる計算です。一方、年15%へ下がっても毎月返済額を5万円まで下げると、返済期間が延びるため、利息総額は一本化前とほとんど変わりません。
つまり、おまとめローンを比較するときは「金利が何%下がるか」だけでなく、毎月返済額・完済までの期間・総返済額の3つをセットで見る必要があります。
おまとめローンのデメリット・注意点
おまとめローンには使いやすい面がある一方、借金問題を根本的に解決できるとは限りません。
借金の元本は基本的に減らない
最大の違いはここです。おまとめローンは新しいローンで既存の借金を返済するため、基本的には借金元本をそのまま移します。
200万円を借りている人が200万円のおまとめローンを利用すれば、借入先は変わっても元本は200万円のままです。債務整理のように、交渉や裁判所の手続きによって返済条件や債務の扱いを見直す仕組みではありません。
返済期間を延ばすと総返済額が増えることがある
毎月の返済額が下がると家計は楽になりますが、完済までの期間が長くなれば、その期間分だけ利息を払い続けます。
「月6万円が4万円になったから得」とは限りません。契約前には、月額だけでなく最終的な返済回数と総返済額を確認してください。
審査に通らなければ利用できない
おまとめローンも新たなローン契約なので、申込みをすれば必ず利用できるわけではありません。収入、現在の借入残高、返済状況、信用情報などを踏まえて審査されます。
すでに長期延滞している、返済のために借入れを繰り返しているなど、家計がかなり厳しい場合は、一本化より債務整理を含めて検討した方がよいこともあります。
一本化後にまた借りると借金が増える
おまとめローンでA・B・C社を完済しても、生活費が不足した状態が変わらなければ、再びカードローンやキャッシングを利用したくなることがあります。
おまとめローン200万円に加えて新たに50万円を借りれば、結局借金は250万円になります。一本化は返済計画を立て直す方法であり、新しく借りる余力を作る方法ではありません。
信用情報が「回復する」わけではない
旧記事では「信用情報が回復する可能性がある」としていましたが、この表現は削除します。
おまとめローンを利用しただけで、すでに信用情報へ登録されている延滞などの情報が消えるわけではありません。また、JICCではローンなどの契約内容・返済状況や申込みに関する情報について、それぞれ登録期間を定めています。
信用情報について詳しく知りたい場合は、ブラックリストとは?信用情報の登録期間と生活への影響も確認してください。
おまとめローンと総量規制の関係
消費者金融などの貸金業者から個人が借りる場合、原則として貸金業法の総量規制があり、借入残高が年収の3分の1を超える新たな貸付けは制限されます。
ただし、一定の条件を満たす借換えは「顧客に一方的に有利となる借換え」などとして総量規制の例外になる場合があります。おまとめローンだから自動的に例外になるのではなく、法令上の条件を満たす必要があります。
日本貸金業協会が案内している主な条件は、借換え後の金利が借換え前を上回らないこと、毎月の負担額が増えないこと、返済により残高が段階的に減ること、担保や保証の条件が以前より不利にならないことなどです。なお、この例外で借換え対象となるのは貸金業者からの借入債務で、銀行からの借入れや親族・知人からの借金は対象に含まれません。
そのため、年収300万円の人がすでに100万円を超えて借りている場合でも、条件を満たすおまとめローンを利用できるケースはあります。ただし、年収の3分の1を超えていれば必ず借りられるという意味ではなく、返済能力などを踏まえた審査があります。
なお、銀行や信用金庫、信用組合などは貸金業法上の総量規制の対象外です。ただし、各金融機関には独自の審査基準があるため、「総量規制の対象外=借りやすい」という意味ではありません。
利息制限法上、200万円を1本にまとめると上限金利はどうなる?
利息制限法では、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%が上限です。
そのため、仮に80万円、70万円、50万円という3つの借入れがそれぞれ年18%であったものを、200万円の1本の金銭消費貸借へまとめる場合、元本100万円以上の区分では利息制限法上の上限は年15%となります。
ただし、「200万円のおまとめローンなら必ず15%になる」という意味ではありません。15%は法律上の上限であり、実際の適用金利は商品や審査によって決まります。
おまとめローンが向いている可能性がある人
おまとめローンは、借金を全額返済する力はあるものの、金利や返済管理に問題がある人と相性があります。
たとえば、毎月の収入は安定しており、今の返済額でも生活が破綻しているわけではないものの、複数社へ高めの金利を払っている場合です。一本化によって金利を下げ、返済日をまとめられれば、完済までの見通しを立てやすくなります。
また、毎月の返済を少し下げれば生活費を確保でき、追加借入れをしなくても暮らしていける人も検討余地があります。
おまとめローンが向いていない可能性がある人
一方、現在の借金をそのまま全額返済すること自体が難しいなら、一本化だけでは解決しない可能性があります。
特に、返済のために別の会社から借りている、返済すると家賃や食費が不足する、すでに複数社を滞納している、一本化しても毎月の返済原資が作れないという状態なら、返済条件を変えるだけでは再び行き詰まることがあります。
こうした場合は、新しいローンを探し続けるより、現在の借金を整理する方法も比較してください。金融庁も、多重債務について財務局・自治体・法テラス・弁護士会などの相談窓口を案内しています。
おまとめローンと債務整理の違い
おまとめローンと債務整理は、「毎月の借金負担を軽くする」という目的は似ていますが、仕組みは大きく違います。
| 比較項目 | おまとめローン | 債務整理 |
|---|---|---|
| 基本 | 新しいローンへ借り換える | 返済条件や債務自体を見直す |
| 元本 | 原則そのまま返済 | 手続きにより扱いが異なる |
| 利息 | 新しいローンの金利を支払う | 任意整理では将来利息等を交渉、個人再生・自己破産は別の仕組み |
| 審査 | 新規ローン審査が必要 | ローン審査とは別 |
| 信用情報 | 新規契約・返済状況等が登録される | 債務整理に関する情報等が登録される場合がある |
| 向いている状況 | 返済能力はあるが金利・管理を改善したい | 現在の条件では返済継続が難しい |
任意整理は、債権者と将来利息や返済方法などを交渉する方法です。個人再生は裁判所を利用して再生計画による返済を行い、自己破産は支払不能にある人が裁判所へ申し立て、免責を目指す手続きです。
おまとめローンと任意整理はどちらがいい?
どちらが一律に優れているというものではありません。判断しやすいのは、「今の元金を全額返すことができるか」です。
元金200万円を全額返す力はあり、金利が下がれば十分完済できるなら、おまとめローンが候補になります。一方、金利を下げても元金200万円を返し切れない、返済すると生活費が不足するという状態なら、任意整理やほかの債務整理も比較する必要があります。
任意整理では、債権者との交渉結果によって将来利息などを見直せることがありますが、必ず全額カットされるとは限りません。
おまとめローンを選ぶ前に確認したい5つの数字
商品名や広告だけで判断せず、少なくとも次の5つを比較してください。
- 現在の借金総額
- 現在の平均的な金利
- 現在の毎月返済額
- おまとめ後の毎月返済額
- おまとめ後の完済までの総返済額
ここで特に重要なのが5番目です。毎月返済額が下がっても、完済までの期間が長くなり、総返済額がほとんど変わらないなら、家計が少し楽になる代わりに長期間借金を抱えることになります。
現在とおまとめ後の返済予定表を並べて、「毎月いくら下がるか」だけでなく「最終的にいくら払うか」まで確認しましょう。
過払い金があるかは「借入期間が長い」だけでは判断できない
旧記事では「10年以上借りていれば過払い金が発生している可能性が高い」としていましたが、この判断は適切ではありません。
過払い金の可能性は、いつ、どの業者から、どの金利で借りていたかによって変わります。借入期間が長いという理由だけで「過払い金がある」とは判断できません。
古い消費者金融やカードキャッシングの取引がある場合は、取引履歴を確認して引き直し計算が必要になることがあります。現在の借金を一本化する前に、過去の取引も含めて確認したい場合は、弁護士や司法書士などへ相談する方法があります。
おまとめローンの審査に通らなかったらどうする?
審査に落ちたからといって、さらに別のおまとめローンへ次々申し込めば解決するとは限りません。まず確認したいのは、現在の借金を「借り換えれば返せる状態」なのか、「借り換えても返せない状態」なのかです。
手取り30万円、生活費22万円、借金返済10万円なら、毎月2万円不足しています。この状態で返済額を9万円へ下げても、まだ1万円不足します。金利や返済先を変える前に、家計全体の赤字を解消できるかを見る必要があります。
返済のための借入れが続いている場合は、借金額・毎月返済額・生活費を整理し、債務整理を含めた相談先を確認してください。
おまとめローンについてよくある質問
おまとめローンを利用すると借金は減りますか?
元本そのものが自動的に減るわけではありません。現在より金利が下がれば、完済までに支払う利息や総返済額を減らせる可能性があります。
おまとめローンは年収の3分の1を超えても利用できますか?
貸金業者のおまとめローンでも、法令上の条件を満たす「顧客に一方的に有利となる借換え」などに該当すれば、総量規制の例外として年収の3分の1を超えて利用できる場合があります。
ただし、例外に該当することと審査に通ることは別です。返済能力などを確認したうえで各貸金業者が判断します。
銀行のおまとめローンにも総量規制はありますか?
銀行、信用金庫、信用組合などは貸金業法上の貸金業者ではないため、貸金業法の総量規制の対象外です。ただし、金融機関独自の審査や融資基準があります。
おまとめローンを使うとブラックリストになりますか?
おまとめローンを通常どおり契約したこと自体を理由に、「債務整理をした」と登録されるわけではありません。一方で、ローンの契約や返済状況、申込みなどは信用情報として扱われます。
すでに延滞などの情報が登録されている場合、おまとめローンを利用しただけでその情報が消えるわけではありません。
おまとめローンでクレジットカードのリボ払いもまとめられますか?
商品によって対象が異なります。キャッシングとショッピングリボでは法律上の扱いも異なるため、申込先が何を一本化の対象としているか確認してください。なお、クレジットカードのショッピング利用は貸金業法の総量規制の対象外です。
おまとめローン後にまたカードローンを使えますか?
契約上の利用可否や審査は各社によります。ただし、一本化後に追加借入れをすると、借金総額が再び増える可能性があります。
おまとめローンを利用するなら、「新たに借りなくても生活できる家計」を同時に作ることが重要です。
おまとめローンと自己破産ではどちらがいいですか?
返済能力によって考え方が違います。おまとめローンは借金を全額返済することが前提ですが、自己破産は支払不能にある人が裁判所で免責を目指す制度です。
金利を下げれば返済できるのか、借金元本を含めて返済自体が困難なのかを分けて考える必要があります。
まとめ|おまとめローンは「月額」ではなく完済までの総額で判断する
おまとめローンは、複数の借入れを新しいローンへ一本化し、返済管理や金利条件を見直す方法です。条件が良ければ利息を減らし、完済までの期間を短くできる可能性があります。
一方、借金の元本が自動的に減るわけではありません。毎月返済額を下げることだけを優先して返済期間を長くすると、金利が下がっても総返済額がほとんど変わらない場合があります。
判断するときは、現在の借金総額・金利・毎月返済額と、おまとめ後の金利・返済期間・総返済額を並べて比較してください。
そして、一本化しても生活費が不足する、返済のための借入れが続く、すでに滞納が始まっているという場合は、新しいローンを探し続けるより、債務整理を含めた方法を確認する段階に入っている可能性があります。
公的機関の参考情報
本記事は、おまとめローンや借金返済に関する一般的な情報を整理したものです。実際の金利、審査、対象となる債務、返済条件は金融機関・貸金業者や契約内容によって異なります。借換え後も返済が難しい場合は、金融機関、公的相談窓口、弁護士・司法書士などへ確認してください。
