過払金ってどんな仕組み?請求手続きのやり方とデメリット
「過払金ってCMでよくみるけどなに?」
「本当にお金が戻ってくるの?」
借金解決、債務整理と聞くと自己破産を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、借金の解決方法には自己破産以外にも、たくさんの方法があります。
今回は、借金解決方法の一つである「過払金請求」について
- 過払金とは
- 過払金請求の方法
- 過払金請求のメリット・デメリット
以上の3点について丁寧に紹介していきます。
過払金ってなに?
過払金とは、消費者金融やクレジットカードを使って借入をして、返済をするときに払い過ぎてしまった利息のことです。
借入側が本来払う必要のないお金なので、請求をすると返してもらうことができます。
戻ってきた過払金は、借金が残っていればその借金の返済に当てれられますが、借金が残っていない場合はそのまま自分のお金となります。
そのため、特に完済している場合は自分の元に返ってくることが多いです。
過払金が発生する仕組み
過払金が発生する仕組みには、貸金業法や出資法といった複数の法律が絡んで発生したグレーゾーン金利と呼ばれるものが関係します。
ここからは、細かく過払金が発生する仕組みについて、紹介していきます。
グレーゾーン金利の仕組み・貸金業法と出資法
消費者金融などの貸金業者からの借入について定めているのが「貸金業法」です。
貸金業法には、以下ふたつの利息に関する法律があります。
- 元金に基づいて利息の上限を規定した利息制限法
- 貸金業者の制限を目的とした出資の受け入れを制限する出資法
利息制限法では、借入の元金をもとに以下ような利息の制限をかけています。
- 10万円未満…年20%
- 10万円以上100万円未満…年18%
- 100万円以上…年15%
一方、出資法では年利29.2%以内という利息が設定されています。
利息制限法と出資法の間にある分が「グレーゾーン金利」です。
この法律で決められた利息の差によって払い過ぎている金利である、過払金が発生するのです。
過払金請求ができる条件
過払金請求をすると、借金が戻ってくる可能性があります。しかし、誰にでも過払金があるわけではありません。
以下に該当する場合、過払金が発生している可能性があります。
- 2010年6月17日以前に借入をした人
- 完済してから10年以内の人
貸金業法が改正される2010年6月17日よりも前に消費者金融などの金融業者から借金をしていた場合、グレーゾーン金利で借り入れていた可能性があります。
また、過払金は現在借金を返済中の人だけでなく、完済した後でも請求可能です。
ただし、完済してから10年たってしまうと時効になってしまうので、完済してから10年以内の人が対象になります。
もし、上記に当てはまらない場合でも、年率18%以上の利息で借入を行っていた記憶がある場合は、過払金が発生しているかもしれません。
過払金請求の流れ
まずは、借金減額シミュレーターを利用して、無料で自分の借金が減額できる可能性があるか確かめます。
借金減額シミュレーターを使ったからといって、必ずしも手続きを行わなければならないというわけではないので安心してください。
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面談では、過払金の借入先や大まかな期間などのヒアリングを行います。それを元に法律の専門家が、過払金が発生しているかの調査を行います。
過払金が発生していることが分かったら、自分で手続きするか法律の専門家に依頼するかを決めましょう。
法律の専門家に依頼する場合は、すべての手続きを法律の専門家が依頼人に代わって行います。
法律の専門家は、まず最初に信用情報機関に取引履歴の開示請求をします。より正確な過払金の金額を調べるためです。
任意整理することが確定すると、法律の専門家は各借入先に「受任通知」を送ります。これによって、督促や取り立てが止みます。
面談での聞き取りをもとに、上限金利に基づいて引き直し計算を行い、過払金の金額を確定します。
借入先と交渉し、話し合いか訴訟どちらかで和解します。
話し合いでは返還される過払金は少なくなるものの3カ月~半年で早期返還されやすいという特徴があり
訴訟では返還される過払金は満額になる可能性があるものの半年~1年以上と期間がかかる、という特徴があります。
どちらを重視するか、希望に沿った交渉をしてくれる法律の専門家に依頼しましょう。
借入先から過払金の返金がされます。
これで手続きは終了です。
過払金請求のメリット・デメリット
次に、過払金請求を行うことでのメリット、デメリットを紹介していきます。
メリット
- 払い過ぎた利息が返ってくる
- 完済している場合、過払金で完済になる場合はブラックリストにならない
過払金は、払い過ぎた利息なので請求をすることで返ってきます。
しかし、過払金が発生していてもクレジットカード会社や消費者金融から連絡がくるわけではありません。
そのため、自分もしくは法律の専門家に依頼して請求する必要があります。
また、現在も返済中で過払金が発生している場合、過払金請求をすることで返ってきたお金で完済できることもあります。
ただ、完済にならない場合は債務整理扱いになるので注意が必要です。
デメリット
- 返済中に過払金請求をして完済にならなかった場合は債務整理手続きになる
- 過払金請求をした金融業者は使うのが難しくなる
返済中の借金を過払金請求して、完済にならなかった場合は任意整理手続きに移行します。
債務整理手続きに移行すると、ブラックリストに登録されます。
また、過払金請求をおこなった金融業者は今後審査等が厳しくなり、利用が難しくなります。
これはブラックリストではないので、過払金請求を行なっていない金融業者であれば、問題なく利用できます。
過払金請求をする上での注意点
最後に過払金請求をする上での注意点をご紹介します。
お金が返ってくる等メリットの大きい過払金請求ですが、手続きには注意点がいくつかあります。
自分が当てはまっているか確認してみてください。
- グレーゾーン金利で借金をしていない
- 完済日から10年以上経過している
- 借入先が倒産してしまった
2010年6月17日以前に借入をしていれば、過払金を請求できる可能性があります。
しかし、2010年6月17日以前であっても金融業者が設定していた金利がグレーゾーン金利に当てはまらないと過払金請求はできません。
また、過払金がある借金を完済している場合、完済日から10年で過払金は時効となり、請求ができなくなります。
借金をしていた金融業者が倒産している場合も請求はできません。
そのため、過払金の心当たりがある借金がある場合はできるだけ早く請求手続きを行いましょう。