ギャンブルが原因の借金でも債務整理はできる?免責不許可事由と注意点
借金の返済に苦しんでいて返済が難しい場合、債務整理が頼りになる選択肢の一つです。債務整理をすれば、今の生活を立て直すことができます。
しかし、借金の原因がギャンブルである場合、債務整理ができるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ギャンブルが原因で負った借金の債務整理について、注意すべきポイントや対応できる債務整理の種類について解説していきます。
わかってはいてもギャンブルを辞められず…
大学生の頃にギャンブルを知り、社会人になってから借りられるお金も増え、気付けば自分のキャパを超えるほど借金が膨れ上がってしまいました…。
債務整理を検討しているのですがギャンブルが理由でも債務整理は出来ますか?
ギャンブルが原因で負った借金でも、債務整理は可能です。
ただし、どのような債務整理手続きを選ぶかが重要です。
ギャンブルが理由の場合、債務整理の種類によって減額可能な手続きとそうでないものがあります。
任意整理や個人再生なら可能
ギャンブルが原因で作った借金は「任意整理」または「個人再生」という債務整理方法でしたら可能です。
任意整理の場合
「任意整理」とは、借りたお金を返すために、債権者(貸した人や企業)と交渉し、返済額や期間を再調整してもらう事です。
債務者が自分で交渉をすることができ手続きも簡単ですが、ブラックリストと呼ばれる信用情報機関に金融事故情報が登録されてしまうのが難点です。
ただ、任意整理は借金の原因を問わないのでギャンブルが理由だとしても可能となります。
個人再生の場合
「個人再生」は、裁判所に申し立てをし、借金の減額や分割払いなどを定めた計画を裁判所によって認可してもらうという手続きです。
個人再生は自分で弁護士を雇って裁判所の手続きをする必要があり、任意整理に比べると手続きが複雑になります。
そのため、特別なケースを除いて利用者はあまりいません。主に、任意整理では対応できない人が個人再生で対応するケースがほとんどです。
自己破産では基本免除されない
基本的にはギャンブルが理由だと難しい
自己破産は裁判所から借金の支払い義務を免除してもらうことができる制度です。ただ、免除してもらえない借金もあります。
免除可能なものとそうでないもの
代表例としてはこのような借金の支払い義務が免除されます。
- クレジットカードの借金
- 消費者金融からの借金
- 銀行からの借金
しかし、下記に当てはまるものは自己破産しても免除されない仕組みとなっています。
- 国民健康保険料など基本的な税金や保険料
- 検察官や裁判所によって科された罰金
- 自動車の購入費用や自動車保険料
- 消費者金融などからの借金で、過去1年以内に利用したもの
また、自己破産には免責不許可事由という制度があり、こちらに当てはまってしまうと基本的には支払い義務の免除が難しいです。
免責不許可事由とは
免責不許可事由とは、自己破産による免責が認められないケースのことです。
ギャンブルや浪費など借金を作った場合によっては借金の免責が認められないことがあるのです。
他に当てはまる免責不許可事由としては
- 財産を隠匿、損壊したり、財産の価値をさげる行為をしたとき
- 借金の原因が、浪費、ギャンブルであるとき
- 債権者について、裁判所に虚偽の申告をしたとき
- 過去7年以内に、自己破産による借金の免除などを受けているとき
- カード利用で購入した商品の現金化をしたことがある場合
などがあります。
自己破産でも免除される場合がある
悪質でないなら裁量免責となる場合がある
ここまで説明した免責不許可事由に当てはまる場合、自己破産をしても免除を認めてもらうことができません。
「裁量免責」とは、免責不許可事由に該当してしまうケースであっても、裁判官の判断によって免責が認められる可能性があります。
ただ、「免責不許可事由に該当したら即アウト」ということはなく、悪質な行為がなく更生の余地があると裁判官に認めてもらえば、免除をしてもらえます。
ただし、やはり難易度が高いのは事実
「同じ過ちを繰り返さない」という意を反省文をを提出したり、家計簿をつけて証明し、裁判官に認めてもらう必要があるため、どうしても手間がかかります。
また、自己破産でもやむを得ない理由での自己破産(同時廃止)と比べると、費用も高額になり手続き期間も長くなります。
よって、出来るならば自己破産ではなく任意整理や個人再生を検討した方が賢明です。
任意整理の方が成功率が高い
債務整理を考えている場合、借金の重さから自己破産をすることを考えている人の方が多いのではないでしょうか。
しかしながら、自己破産のハードルは高く、さまざまな要件を裁判所に認めてもらわなければなりません。
任意整理の場合であれば、裁判所を介さず、自分が減らしたい借金のみを対象にして債務整理をすることができるので、ハードルが高くありません。
また、任意整理では、弁護士や司法書士といった法律の専門家が代理で手続きを行なってくれることがほとんどです。
そのため、あなたがやらなければいけないことは書類を揃えるなどの最低限で済みます。
まとめ
この記事では、ギャンブルでの借金が債務整理できるかどうかについてご紹介しました。
ギャンブルでの借金は自己破産の場合、免責不許可事由に当たってしまい、借金の支払い義務が免除されないことがあります。
そのため、借金を減額したいという方はまず任意整理から考えるのがおすすめです。
任意整理であれば、弁護士や司法書士などの法律の専門家と、あなたの借入先の貸金業者の直接交渉なので、減額される可能性が高いです。
まずは、借金減額シミュレーターから、あなたの借金がどのくらい減額される可能性があるのか、確かめてみてください。