自己破産について具体的な期間や費用、必要書類の準備をなるべく早く終わらせる方法を解説!
そもそも自己破産とは?
自己破産とは、借金の支払いを全額免除してもらう手続きです。(借金の免責)
借金の返済ができなくなってしまった人が自分から裁判所に申し立てをし、最終的には裁判所によって返済の免除を認めてもらいます。
家や自動車など中古価格で20万円以上の財産は借金返済のために手放さなくてはなりませんが、99万円以下の現金や最低限の生活用品は手元に残すことが可能です。
自己破産について詳しく知りたい方や、検討している方は以下の記事で詳しくご紹介してますのでよければ参考にしてみてください。
自己破産の具体的な流れ
自己破産には財産があるかないかによって、大きく2つのパターンに分かれます。
自己破産をした7割程度の人が前者の流れで進んでいくのですが、どのように手続きが変わるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
財産がない場合の流れ(同時廃止)
まずは、借金減額シミュレーターを利用して、無料で自分の借金が減額できる可能性があるか確かめます。
借金減額シミュレーターは匿名でも利用できますし、試してみたからといって手続きを必ず行わないといけない訳ではないのでご安心ください。
自己破産を行うには、基本的には法律の専門家に依頼するケースがほとんどです。
依頼後は、着手金や報酬金について取り決めをします。着手金は原則的には依頼直後に一括で支払いますが、払えなくても分割払いにするなど、柔軟に対応してくれる事務所が多いです。
自己破産することが確定すると、法律の専門家は各借入先に「受任通知」を送ります。これによって、督促や取り立てが止みます。
自己破産をすることが確定すると、専門家に従って破産と免責の申し立てのために必要な書類を完成させ、裁判所に提出します。
申立書には、収支、資産、家計状況がわかる資料などの添付が必要です。
こちらの必要な書類に関しては、詳細を次の章で詳しい表を載せているので、気になる方はチェックしてみてください。
破産開始が決定すると、基本的には2週間後に免責許可決定が下ります。
ここでようやく借金の返済を免除、つまり借金から解放されるのです。
財産がない場合だと、基本的には破産手続きが開始したと同時に終了します。また、これは同時廃止とも呼ばれます。
なお、免責許可決定は確定して初めて効力が生じますが、確定するまでには2週間が必要です。
なぜ2週間が設けられているかというと、借入先が不服がある場合に不服を申し立てることで、さらに上級の裁判所への判断(地方裁判所、高等裁判所など)を求める期間ともなるからです。
2週間経過し、借入先が不服を申し立てない場合、免責許可決定は確定し、無事借金の返済義務の免除が認められます。
財産がある場合
財産がある場合は、ない場合と比較してもう少し必要な手順があります。
簡単に説明すると、裁判所が選んだ弁護士に借金の状況や、借金をした理由、また車や家などの財産の内訳について調べてもらいます。
そして、その情報と必要書類を元に、借入先を裁判所に集めて報告を行い、問題がなければ無事借金の返済義務の免除が認められるという流れです。
では専門用語などを交えて、以上の流れを詳しく見ていきましょう。
自己破産は財産を換金して、少しでも借入先に返済した後に免責許可を受けます。
破産管財人(はさんかんざいにん)とは、破産をした人が持っている財産を調査してお金に換え、借入先に配当するという役割を果たす人で、基本的には弁護士が担う
破産管財人が決定すると、破産者に現在の借金の状況やそれに至った経緯を聞き取り、その情報と必要書類を元に自己破産の手続きが開始されます。
破産管財人は聞き取った情報を元に、破産者が持っていた財産を調査し、借入先に少しでも返済するために財産を売り現金に換えていきます。
また、債権者集会では自分が借入をしている会社が集まって、集会が行われます。
債権者集会が終わると、1週間から1ヶ月で裁判所から免責決定通知が出されます。
この通知が出された時点で、借金の支払い義務がなくなり、借金から解放されます。
財産があるケースは、財産の金額を調べ換金して売るというステップが含まれるので、どうしても財産がないケースに比べて時間を要してしまいます。
また、聞きなれない単語についてや、自己破産のもっと詳しい具体的な手続きが知りたい方は、こちらの記事でご紹介しているので併せて参考にしてください。
自己破産に必要な書類について
では、自己破産に必要な書類は具体的にはどういったものでしょうか?自己破産には最低限、以下の書類が必要となります。
・自己破産申立書 ・陳述書 ・債権者一覧表 ・住民票、戸籍謄本 ・収入が分かるもの (給与明細書など) | ・資産関係がわかるもの (退職金、車、保険など) ・預金通帳の写し ・家計状況 ・源泉徴収票、課税 (非課税)証明書 |
自己破産は、強力な手続きのため複雑で、必要な書類も多くなります。
しかし、自分で全て用意するわけではなく、依頼した弁護士や司法書士などの専門家に手伝ってもらいながら用意するのが一般的です。
また、黄色いマーカーが引いてあるところはご自身だけでも準備することができる項目です。
自分で用意できるところは先に用意しておくことが、自己破産の手続きを極力短期間で終わらせるコツだと言えます。
それぞれのステップにかかる期間
ここまで、自己破産の手続き手順についてご紹介しましたが、それぞれの手続きにどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
出来る事なら早く、自己破産手続きから解放されたいですよね。
この章では大体ひとつの手続きにかかる期間と、なるべくスムーズに早く終わらせるためにできることについてご紹介いたします。
弁護士への相談~破産手続き開始決定まで要する時間
- 専門家への相談から破産手続きの開始までは、一般的に4~5か月程
- 相談から破産手続きの申し立てまでが約3か月程
- 破産の申し立てから破産手続きの開始までが1~2か月程
相談から申し立てまでの期間については、揃えなくてはいけない書類も多いので時間を要してしまいますが、逆に言うと書類さえ迅速に揃えることが出来ればこの期間は短縮することが可能です。
また相談の段階で、借金の状況や収支の状況について把握し記録していると、最初の段階でこの期間も短くすることが可能です。
破産手続きが開始されてから要する時間
財産が全くない同時廃止の場合は、一般的に9割ほどの方が4か月未満で免責決定(=借金の返済義務がなくなる)が出ます。
財産がある破産管財手続きの場合は、おおよそ1年〜1年半ほどで免責決定がおります。
手続き開始から、免責決定までは弁護士や司法書士と裁判所とのやり取りになるので、自分でできる時間短縮をすることは難しいです。
依頼した、弁護士や司法書士などの専門家を信頼して待ちましょう。
一般的にかかる全体の期間
ここでは、全体の7割ほどを占めている財産がない場合(=同時廃止)の一般的に自己破産にかかる期間をご紹介いたします。
- 相談や準備に3か月程
- 破産申し立て~破産開始決定まで1~2か月程
- 免責許可決定まで4か月程
ですから通常であれば8~9か月あれば終わると考えて良いでしょう。そうは言っても日常生活にも支障が出てしまう長い期間ですよね。
しかも、その間に行われる手続きも複雑であるため、よっぽど個人でやると意気込まない限り難しいものだと言えます。
そのため、自己破産をする人の9割は弁護士や司法書士などの専門家に依頼していると言われています。
手続きにかかる費用相場と目安
手続きにかかる費用の相場
手続きにかかる費用の相場は以下の3つです。
- 弁護士/司法書士費用
- 予納金
- 手数料(印紙代・郵便切手代)
自己破産手続きで、弁護士に依頼した場合にかかる費用は¥200,000〜¥500,000円程度です。
弁護士費用中には、相談料や着手金、報酬金が含まれています。
また、自己破産手続きには3種類の手続きがあり、それぞれ予納金が異なります。
- 同時廃止:1~30,000円
- 少額管財:200,000円
- 通常管財:500,000円
費用について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
専門家への依頼料が払えない場合は?
例えば専門家に依頼した場合、着手金として委任契約を交わした後、一般的には、弁護士が依頼された業務を開始する際に支払うものです。
ですが、債務整理で依頼する場合、弁護士や司法書士も依頼者がお金に困っているということを十分に理解しています。
そのため、分割払いに対応してくれるなど柔軟な対応を取っている事務所がほとんどです。
また、国が設置する法的トラブルの相談窓口である法テラスでは、専門家への依頼料の建て替えなども行っているので検討してみても良いかもしれません。
まとめ
今回は自己破産の実際の手続きからかかる期間についてご紹介させて頂きました。
ですが、記事を読むだけでは「実際自分はどのくらいの期間がかかるのか?」「そもそも自己破産でなくてはいけないのか」と不安に思われる方も多いと思います。
まずは一度専門家に相談し「そもそも自分には自己破産以外の選択もできるのか」というところか聞いてみるのも賢明な判断だと言えます。
ここまで実際の手続きなどについてお話してきましたが、自己破産は最終手段であり、他の債務整理方法が可能ならそちらを選択するに越したことはありません。