自己破産
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自己破産できる条件とは?できないケース・免責不許可事由と対処法

Satoh
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「借金が100万円以下だと自己破産できない」「ギャンブルが原因だと認められない」と聞き、自分は手続きを利用できないのではないかと不安になる人もいるでしょう。

自己破産を始めるための中心的な条件は、借金額そのものではなく、収入や財産を使っても継続的に返済できない「支払不能」の状態にあることです。一方、破産手続を開始できるか、残った債務について免責を受けられるか、免責されない支払いがあるかは、それぞれ分けて考える必要があります。

この記事では、自己破産の条件、免責不許可事由、自己破産をしても支払義務が残る債権、手続きが難しい場合の対処法を、公的機関の情報をもとに整理します。

目次
  1. 結論|自己破産できるかは借金額だけでは決まらない
  2. 自己破産と免責は別の手続き
  3. 自己破産の中心的な条件は「支払不能」であること
  4. 免責が認められない可能性がある「免責不許可事由」
  5. 自己破産をしても支払義務が残る「非免責債権」
  6. 自己破産が難しい、または慎重な検討が必要なケース
  7. 自己破産が適さない場合に検討できる方法
  8. 自己破産を相談する前に整理しておきたいこと
  9. 自己破産の条件についてよくある質問
  10. まとめ|自己破産の可否は支払不能・免責・債権の種類を分けて考える
  11. 公的機関の参考情報

結論|自己破産できるかは借金額だけでは決まらない

自己破産について判断するときは、次の3点を混同しないことが大切です。

確認すること判断の基本
破産手続を開始できるか収入や財産を踏まえて「支払不能」と認められるか
残った債務の免責を受けられるか免責不許可事由の有無や、裁量免責が相当か
免責後も支払いが残るか税金や養育費などの非免責債権に該当するか

法律上、「借金が100万円以上ならできる」「年収の3分の1を超えたら認められる」といった一律の金額基準はありません。同じ借金額でも、収入、生活費、家族構成、財産、健康状態などによって判断は変わります。裁判所も、借金額だけでなく、収入や財産によって返済できるかを確認すると案内しています(千葉地方裁判所「破産・免責手続について」)。

自分の借入状況でどの方法が候補になるのか整理したい場合は、借金減額相談の案内も確認できます。画面上の結果は目安であり、減額や自己破産の可否、手続きの結果を保証するものではありません。

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自己破産と免責は別の手続き

自己破産は、一般に「借金をなくす手続き」と説明されますが、厳密には破産手続と免責手続に分かれます。

  • 破産手続:財産を調査し、換価できる財産があれば債権者へ配当する手続き
  • 免責手続:破産手続で支払いきれなかった債務について、法律上の支払義務を免除するか判断する手続き

裁判所が破産手続開始を決定しただけで、借金の支払義務が直ちになくなるわけではありません。原則として、免責許可決定が確定して初めて、非免責債権などを除く債務の支払義務を免れます(裁判所「破産」)。

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自己破産の中心的な条件は「支払不能」であること

破産法上、個人について破産手続を開始する中心的な原因は「支払不能」です。支払不能とは、支払能力を欠き、返済期が来た債務を一般的かつ継続的に支払えない状態をいいます。

単に「今月だけ払えない」という一時的な資金不足ではなく、今後の収入や処分できる財産を考えても返済を続ける見込みが立たないかが確認されます。裁判所は、主に次のような事情を総合的に見ます。

  • 借入先ごとの残高、返済額、滞納状況
  • 給与、年金、事業収入などの金額と継続性
  • 家賃や食費、医療費、扶養費など生活に必要な支出
  • 預貯金、不動産、自動車、保険の解約返戻金などの財産
  • 年齢、健康状態、就労状況、家族構成
  • 返済条件を変更しても完済の見込みが立つか

「返済が苦しい」という本人の感覚だけで決まるのでも、借金総額だけで決まるのでもありません。収支や財産を示す資料をもとに、客観的に判断されます。

借金が100万円以下でも自己破産できる可能性がある

自己破産に最低借金額の決まりはありません。借金が100万円以下でも、収入が少ない、病気などで就労が難しい、生活に充てられる財産がないといった事情から支払不能と認められれば、破産手続が開始される可能性があります。

反対に、借金が数百万円あっても、安定した収入や返済に充てられる財産があり、分割返済を続けられると判断されれば、支払不能が認められないことがあります。「100万円」「年収の3分の1」などの数字だけで自己判断しないようにしましょう。

無職や生活保護受給中でも申立てはできる

継続した収入がないことは、自己破産の申立てを妨げる条件ではありません。無職や生活保護受給中でも、支払不能であれば申立てを検討できます。ただし、借金の内容、財産、家計の状況などは個別に確認されます。

一方、失業が一時的で近く再就職する見込みがあり、収入回復後に返済できる場合などは、任意整理や個人再生を含めて比較したほうがよいこともあります。

免責が認められない可能性がある「免責不許可事由」

支払不能と認められて破産手続が始まっても、必ず免責されるとは限りません。破産法では、免責を認めない理由になり得る行為を「免責不許可事由」として定めています。具体的な法定事由は、破産法252条で確認できます。

主な例は次のとおりです。

  • 債権者を害する目的で財産を隠したり、価値を減らしたりした
  • 特定の債権者や親族だけへ不公平な返済をした
  • 浪費やギャンブルなどにより、著しく財産を減らしたり多額の債務を負ったりした
  • 換金目的でクレジットカードを利用するなど、不利益な条件で債務を負担した
  • 破産手続開始の申立て前1年以内に、返済できない状態を隠して相手を信用させ、借入れをした
  • 虚偽の債権者一覧表を提出した
  • 裁判所や破産管財人の調査に協力しなかったり、虚偽の説明をしたりした
  • 前回の免責許可決定の確定などから7年以内に、再び免責を申し立てた

ギャンブルや浪費があっても一律に免責されないわけではない

ギャンブルや浪費による借金は免責不許可事由に当たる可能性がありますが、その事実だけで免責不許可が確定するわけではありません。破産法には、経緯や手続きへの協力状況など一切の事情を考慮し、裁判所が免責を許可できる「裁量免責」の仕組みがあります。

裁量免責が認められるかは個別判断です。借金の原因や使途を隠したり、資料を処分したりせず、早い段階で専門家へ正確に伝えることが重要です。

前回の免責から7年以内でも申立て自体が禁止されるわけではない

前回の免責許可決定が確定した日などから7年以内であることは、免責不許可事由の一つです。しかし、「7年以内は破産を申し立てられない」「2回目の自己破産はできない」という意味ではありません。支払不能であれば申立ては可能であり、事情によっては裁量免責が検討されます(松江地方裁判所「破産・免責手続のあらまし」)。

ただし、短期間で再び借金を抱えた原因や前回以降の家計管理などは慎重に確認されます。前回の決定書などが残っていれば、相談時に持参しましょう。

自己破産をしても支払義務が残る「非免責債権」

免責許可決定が確定しても、破産法上、支払義務が免除されない請求権があります。これを非免責債権といいます。

代表的なものは次のとおりです。

  • 税金や一定の公的な負担
  • 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 故意または重大な過失により人の生命・身体を害した不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 養育費、婚姻費用、扶養義務などに基づく請求権
  • 従業員の給与や預り金に関する一定の請求権
  • 知りながら債権者一覧表へ記載しなかった債権者の請求権(債権者が破産手続開始を知っていた場合を除く)
  • 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金、過料

「公共料金はすべて免責されない」「慰謝料や損害賠償金はすべて残る」と一括りにはできません。債権が生じた原因や法的な性質によって扱いが変わるため、債権者名と請求内容を専門家へ伝えて確認してください。

税金や養育費などが借金の大部分を占める場合、自己破産をしても家計の問題が十分に解消しない可能性があります。税金については自治体や税務署、養育費については弁護士などへ、支払い方法も含めて相談する必要があります。

自己破産が難しい、または慎重な検討が必要なケース

収入や財産で返済でき、支払不能と認められない

家計を見直したり、保有財産を返済に充てたりすれば完済できる場合は、破産手続開始の条件を満たさない可能性があります。返済条件の変更で支払いを続けられるなら、任意整理や特定調停などが候補になります。

必要な申立費用や予納金を納められない

自己破産の申立てには、収入印紙、郵便料、予納金などが必要です。破産管財人が選任される場合は、管財人の業務に充てる費用も必要になります。金額や納付方法は、申立先の裁判所や事件の内容によって異なります。

必要な費用を納められないと、手続きを進められないことがあります。ただし、費用を一括で用意できないだけで、直ちに自己破産を諦める必要はありません。法律事務所の分割払いの可否や、条件を満たす場合の法テラスによる弁護士・司法書士費用等の立替制度を確認しましょう。立替えの対象や裁判所費用の扱いは事案によって異なるため、相談時に確認してください。

自己破産の費用と払えない場合の対処法を確認する

資料を提出せず、裁判所や破産管財人の調査に協力しない

自己破産では、すべての債権者、財産、収入、借金の経緯を正確に申告する必要があります。財産を隠す、通帳などの資料を出さない、連絡や説明を拒むといった行為は、手続きの支障になるだけでなく、免責不許可事由に該当する可能性があります。

すでに一部の債権者へ返済した、家族へ名義を移した、クレジットカードを現金化したなど、気になる行為がある場合も隠さず相談しましょう。自分の判断で追加の返済や名義変更を行わないことが大切です。

非免責債権が借金の大部分を占める

非免責債権が多い場合でも、ほかの条件を満たせば破産手続を利用できる可能性はあります。ただし、免責後にも対象の支払義務が残るため、自己破産だけでは生活再建につながらない場合があります。残る支払いを含めた家計計画が必要です。

制限を受ける職業・資格に就いている

職業や資格によっては、破産手続中の一定期間、登録や業務に制限が生じる場合があります。ただし、該当する職業に就いていること自体が、自己破産を申し立てられない条件になるわけではありません。

制限の対象や期間は、それぞれの職業を定める法律や手続きの進み方によって異なります。勤務先での配置転換が可能か、ほかの債務整理が適しているかも含め、申立て前に弁護士へ確認しましょう。

自己破産が適さない場合に検討できる方法

支払不能とまではいえない場合や、残したい財産がある場合などは、別の債務整理が適することがあります。

方法主な内容検討される状況
任意整理債権者と将来利息や返済期間などを交渉する返済条件を見直せば支払いを続けられる
個人再生裁判所で再生計画を定め、減額後の債務を原則3年で返済する大きく減額すれば返済でき、住宅など残したい財産がある
特定調停簡易裁判所の調停委員を介して返済条件を話し合う返済を続けられ、本人申立ても含めて検討したい

任意整理で利息が必ず全額カットされるわけではなく、個人再生でも返済額が一律に5分の1や10分の1になるわけではありません。どの方法が適するかは、借入先、収支、財産、保証人の有無などによって変わります。

税金など非免責債権の支払いが難しい場合は、債務整理とは別に、徴収を担当する行政機関へ分割納付や猶予制度について相談しましょう。放置すると延滞金や差押えにつながることがあるため、早めの連絡が必要です。

自己破産を相談する前に整理しておきたいこと

資料がすべてそろっていなくても相談はできます。分かる範囲で、次の内容をまとめておくと状況を説明しやすくなります。

  • 借入先の名称、残高、毎月の返済額、滞納の有無
  • 給与、年金、事業収入など毎月の収入
  • 家賃、食費、光熱費、医療費など毎月の支出
  • 預貯金、不動産、自動車、保険、退職金見込額などの財産
  • 借金が増えた時期と主な理由
  • 保証人や担保が付いた借金の有無
  • 過去の自己破産や個人再生の有無と時期
  • 債権者や裁判所から届いた書類

弁護士は申立代理人として対応できますが、司法書士が地方裁判所の破産事件で行えるのは、主に書類作成支援です。依頼先を選ぶときは、費用だけでなく、どこまで対応してもらえるかも確認してください。

債務整理における弁護士と司法書士の違いを確認する

自己破産の条件についてよくある質問

借金が少額だと自己破産できませんか?

借金額だけを理由に一律で決まるものではありません。少額でも、収入、生活費、財産、健康状態などから継続的な返済ができなければ、支払不能と認められる可能性があります。

ギャンブルで作った借金は必ず免責されませんか?

必ず免責されないわけではありません。免責不許可事由に該当する可能性はありますが、裁判所が事情を考慮して裁量免責を許可する場合があります。利用額や期間、現在の家計、手続きへの協力状況などにより判断が変わります。

7年以内に2回目の自己破産はできませんか?

申立て自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし、前回の免責許可決定の確定などから7年以内であることは免責不許可事由に該当し、免責の判断は厳しくなります。早めに弁護士へ相談してください。

費用がないと自己破産できませんか?

裁判所へ納める費用は必要ですが、一括で用意できない場合でも、法律事務所への分割払いの相談や、条件を満たせば法テラスの立替制度を利用できる可能性があります。必要額と対象範囲は、依頼先や申立先の裁判所へ確認しましょう。

自己破産すると住宅や車は必ず失いますか?

契約状況や財産価値などによって扱いが異なります。自宅は原則として処分の対象になりますが、車はローンの有無、所有者、評価額、裁判所の運用などにより結論が変わります。詳しくは自己破産と車の扱いも確認してください。

まとめ|自己破産の可否は支払不能・免責・債権の種類を分けて考える

自己破産を利用できるかは、「借金がいくらあるか」だけでは判断できません。重要なポイントは次のとおりです。

  • 破産手続開始の中心的な条件は、継続的に返済できない「支払不能」であること
  • 借金100万円以下でも、支払不能なら自己破産できる可能性がある
  • 免責不許可事由があっても、事情によっては裁量免責が検討される
  • 前回の免責から7年以内でも、申立て自体が一律に禁止されるわけではない
  • 税金や養育費などは、免責後も支払義務が残る

自分だけで「できない」と決めつけると、返済や差押えへの対応が遅れるおそれがあります。借入先ごとの残高、毎月の収支、財産、保証人、過去の手続きを整理し、弁護士や法テラスなどへ相談しましょう。

借入状況を整理するきっかけとして、借金減額相談の案内を確認する方法もあります。利用前に運営元、連絡方法、個人情報の取扱いを確認し、画面上の結果だけで手続きを決めないようにしてください。

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公的機関の参考情報

本記事は、個人の自己破産に関する一般的な情報を整理したものです。個別の事情に対する法的判断や、特定の手続きを勧めるものではありません。手続きの取扱いや必要書類、費用は裁判所や事案によって異なるため、申立先の裁判所や専門家へ確認してください。

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今井 洸太
今井 洸太
Life On運営者/借金解決・返済アドバイザー/債務整理アドバイザー/ファイナンシャル・プランニング資格保有/
Life Onでは、借金に困っている方に「どこよりも、誰にでもわかりやすく」をモットーとして、借金の複雑な手続きの方法や解決方法についてご紹介します。実際の体験談から自分に合った解決方法を見つけることもできます。
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