自己破産
PR

自己破産の流れと期間は?相談から免責確定までの手順を解説

Satoh
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

自己破産を考え始めても、「何から手を付ければよいのか」「裁判所で何を聞かれるのか」「終わるまで何か月かかるのか」が分からず、不安になる人は少なくありません。

自己破産は、裁判所へ申立書を出したらすぐに借金がなくなる手続きではありません。申立ての準備、破産手続開始決定、同時廃止または管財事件の手続き、免責に関する審理を経て、免責許可決定が確定することで、非免責債権を除く借金の支払責任が免除されます。

また、換価や詳しい調査が必要な財産がある場合などは、管財事件となって時間がかかることがあります。ただし、財産がなければ必ず同時廃止になるわけでも、財産が少しでもあれば必ず長期化するわけでもありません。

この記事では、自己破産の相談から免責許可決定の確定までを時系列で整理し、同時廃止と管財事件の違い、期間の目安、必要書類、手続きを滞らせないポイントを解説します。

自己破産の流れを7段階で確認

自己破産の一般的な流れは、次のとおりです。

段階主な内容
1.相談・方針の検討借金、収支、財産、保証人などを整理し、ほかの債務整理とも比較する
2.専門家への依頼・受任通知弁護士などが貸金業者へ受任通知を送り、債務額を調査する
3.申立書類・費用の準備債権者一覧、財産目録、家計収支、収入資料などをそろえる
4.地方裁判所への申立て破産手続開始と免責許可を原則として同時に申し立てる
5.破産手続開始・手続きの分岐裁判所が同時廃止または管財事件として進める
6.免責に関する審理債権者や破産管財人の意見を踏まえ、裁判所が免責を判断する
7.免責許可決定の確定決定が確定すると、非免責債権を除く借金の支払責任が免除される

裁判所の運用や個別事情によって、面談の有無、提出書類、各段階の順序や期間は変わります。本人の希望だけで同時廃止か管財事件かを選ぶことはできません。

自分の借入状況でどの債務整理が候補になるのか整理したい方は、借金減額相談の案内も確認できます。画面に表示される結果は目安であり、自己破産の可否や減額結果を保証するものではありません。

1.借入状況を整理し、弁護士などへ相談する

最初に、借入先ごとの残高、毎月の返済額、滞納状況、収入、生活費、財産、保証人の有無を整理します。自己破産が適しているかは、借金総額だけでは判断できません。

返済条件を見直せば支払える場合は任意整理、大きく減額すれば返済を続けられる場合は個人再生など、ほかの方法が候補になることもあります。自宅、自動車、保証人付きの借金、税金の滞納などがある場合は、相談時に必ず伝えましょう。

自己破産は本人だけで申し立てることもできますが、債権者一覧、財産調査、家計資料、借金の経緯に関する説明など、多くの準備が必要です。弁護士へ依頼すれば、地方裁判所での申立代理や裁判所・破産管財人とのやり取りを任せられます。

司法書士へ依頼する場合は、裁判所提出書類の作成支援が中心です。自己破産は地方裁判所の手続きであるため、司法書士が申立代理人になるわけではありません。

弁護士と司法書士の違いを詳しく見る

2.依頼後に受任通知が送られ、借金を調査する

弁護士や業務範囲内で対応する認定司法書士へ依頼すると、各貸金業者へ受任通知が送られます。貸金業者が受任通知を受け取った後は、本人への直接の取立てが原則として止まります。

ただし、受任通知によって、すべての債権者からの連絡、担保権の実行、すでに始まっている訴訟や強制執行まで自動的に止まるわけではありません。裁判所から訴状、支払督促、差押えに関する書類が届いた場合は、期限があるため直ちに依頼先へ連絡してください。

受任通知の送付後、専門家は債権者へ取引履歴や残高などの開示を求め、債務額を確認します。家族や知人、勤務先からの借入れ、家賃や携帯端末代の滞納なども、申告が必要な債務に当たる場合があります。

自己破産では、一部の債権者だけを意図的に外すことはできません。保証人へ迷惑をかけたくないという理由があっても、保証人付きの借金を含めて正確に伝える必要があります。

3.申立書類と裁判所費用を準備する

債務額の調査と並行して、裁判所へ提出する書類をそろえます。一般的に必要となる主な資料は次のとおりです。

  • 破産手続開始・免責許可申立書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 破産に至った事情を説明する書面
  • 家計収支に関する書類
  • 住民票
  • 給与明細、源泉徴収票、課税証明書などの収入資料
  • 預貯金口座の通帳や取引履歴
  • 保険証券や解約返戻金証明書
  • 自動車の車検証、査定資料、ローン残高資料
  • 不動産の登記事項証明書、評価資料、住宅ローン残高資料
  • 退職金の有無や見込額が分かる資料
  • 事業をしていた場合の確定申告書、帳簿、契約書など

必要な期間や対象範囲は、裁判所や本人の状況によって異なります。インターネット銀行、証券口座、暗号資産、電子マネーなども含め、利用中または最近解約した口座・契約を漏れなく伝えましょう。

弁護士費用や、申立て時に必要な裁判所費用を依頼先へ分割で積み立てる場合は、費用がそろうまで申立てを待つことがあります。分割額だけでなく、「いつまでにいくら準備し、いつ申し立てる予定か」も確認してください。

自己破産の費用と払えない場合の対処法を見る

4.地方裁判所へ破産手続開始・免責許可を申し立てる

書類と費用の準備ができたら、原則として住所地を管轄する地方裁判所へ、破産手続開始と免責許可を申し立てます。

申立てを受けた裁判所は、書類に不足や不明点がないか、申立人が支払不能の状態にあるか、財産調査や免責調査が必要かなどを確認します。不足があれば、追加資料の提出や説明を求められます。

裁判所によっては、裁判官との面接に当たる破産審尋や、申立代理人との面接を行う場合があります。必ず本人が裁判所へ出向くとは限りませんが、裁判所や弁護士から面談・出席を求められた場合は応じる必要があります。

申立てをしただけでは、まだ借金の支払責任は免除されません。その後、裁判所が破産手続開始や同時廃止・管財事件の扱いを判断し、免責に関する手続きも進めます。

5.同時廃止または管財事件として手続きが進む

裁判所は、財産の状況や調査の必要性などを踏まえ、同時廃止または管財事件として手続きを進めます。

同時廃止の流れ

同時廃止は、換価できる財産が極めて少なく、破産管財人を選任しても手続費用を賄えないと裁判所が判断した場合などに、破産手続開始と同時に破産手続を終了する方法です。

主な流れは次のとおりです。

  1. 破産手続開始決定・同時廃止決定
  2. 債権者から免責に関する意見を受け付ける期間
  3. 必要に応じて免責審尋
  4. 免責許可決定または免責不許可決定
  5. 決定の確定

破産管財人による財産の換価や債権者への配当、債権者集会は行われません。ただし、破産手続が同時に終了しても、免責手続まで同時に終わるわけではありません。

また、財産が少ない場合でも、財産の処分状況、事業経験、ギャンブルや浪費、特定の債権者への優先返済などについて調査が必要と判断されれば、管財事件になることがあります。

管財事件の流れ

管財事件では、裁判所が破産管財人を選任します。破産管財人は、財産、債務、借金の経緯、免責不許可事由の有無などを調査し、必要に応じて財産を換価・配当します。

主な流れは次のとおりです。

  1. 破産手続開始決定・破産管財人の選任
  2. 破産管財人との面談
  3. 財産・債権・免責に関する調査
  4. 必要な財産の換価
  5. 債権者集会や免責に関する意見の報告
  6. 配当、破産手続終結または破産手続廃止
  7. 免責許可決定または免責不許可決定
  8. 決定の確定

財産を売却しても配当に回せる金銭が残らない場合などは、配当をせずに破産手続が廃止されることもあります。管財事件になったからといって、必ず債権者へ配当が行われるわけではありません。

「少額管財」と呼ばれる運用を設けている裁判所もありますが、名称、利用条件、予納金、進め方は裁判所によって異なります。全国共通の独立した3つ目の手続きを、本人が自由に選べるわけではありません。

6.免責について裁判所が判断する

自己破産の目的は、破産手続を開始して財産を整理することだけではありません。借金の支払責任の免除を受けるには、免責許可決定が必要です。

裁判所は、申立書、債権者の意見、管財事件では破産管財人の調査結果などを確認し、免責を許可するか判断します。必要に応じて、裁判官が本人へ事情を確認する免責審尋が行われます。

浪費やギャンブル、財産隠し、返済が難しい状況を偽って新たな信用取引をする行為、特定の債権者への偏った返済、虚偽説明などは、免責の判断へ影響する可能性があります。ただし、免責不許可事由に当たる事情があっても、それだけで免責が必ず認められないわけではありません。裁判所が事情や手続きへの協力状況などを考慮し、裁量で免責を許可する場合があります。

すでに問題となり得る行為をしてしまった場合も、隠すと状況が悪化する可能性があります。時期、金額、理由を整理し、弁護士や裁判所、破産管財人へ正確に説明してください。

7.免責許可決定が確定すると支払責任が免除される

裁判所が免責を認めると、免責許可決定が出されます。しかし、決定書が届いた時点では、まだ決定が確定していません。

免責許可決定は官報へ掲載され、原則として官報掲載の日から2週間、不服申立てがなければ確定します。実際には、免責許可決定から確定まで1か月前後かかることがあります。

免責許可決定が確定すると、破産手続による配当を除き、非免責債権に当たらない破産債権について支払責任が免除されます。税金、罰金、養育費などは原則として免責されません。保証人や連帯保証人の支払義務もなくなりません。

破産手続開始決定や同時廃止決定が出ただけで、借金の支払責任がなくなるわけではない点を押さえておきましょう。

自己破産にかかる期間の目安

自己破産の期間は、申立て前の準備期間と、裁判所へ申し立てた後の期間に分けて考えます。

段階・手続き期間の一般的な目安長引く主な理由
相談・依頼から申立てまで2~6か月程度債務調査、資料収集、家計作成、費用の積立て
同時廃止|申立てから免責確定まで3~6か月程度書類の補正、裁判所の運用、債権者の意見
管財事件|申立てから免責確定まで6か月~1年以上財産・免責調査、換価、債権者集会、配当

これは一般的な目安であり、全国共通の標準処理期間ではありません。書類と費用を短期間で準備できれば早まることがありますが、不動産の売却、事業資料の調査、債権者との争いなどがあると1年以上かかる場合もあります。

免責許可決定が「出るまで」の期間と、「確定するまで」の期間も異なります。終了時期を確認するときは、免責許可決定の予定日だけでなく、確定見込みまで確認しましょう。

財産があると自己破産に時間がかかる?

財産があり管財事件になると、同時廃止より時間がかかる傾向があります。破産管財人が価値や権利関係を調査し、必要に応じて売却するためです。

特に時間がかかりやすいのは、次のような財産や事情がある場合です。

  • 売却が必要な自宅、土地、共有不動産がある
  • 自動車の所有権やローン契約が複雑である
  • 保険の解約返戻金や退職金見込額の確認に時間がかかる
  • 株式、投資信託、FX、暗号資産などの取引がある
  • 個人事業の売掛金、在庫、設備、帳簿がある
  • 離婚時の財産分与、相続、第三者名義の財産に関する確認が必要である
  • 申立て前に多額の出金、送金、売却、名義変更をしている

一方、不動産がある場合も、評価額、住宅ローン残高、売却の見込みなどを踏まえて扱いが判断されます。反対に、目立った財産がなくても、財産や免責に関する調査が必要なら管財事件になることがあります。

「財産があるか」だけで期間を判断せず、財産の種類、評価額、担保、処分歴まで専門家へ伝えることが大切です。

自己破産を滞らせないための準備

手続きを早く終わらせることだけを目的に、財産を処分したり、都合の悪い取引を隠したりしてはいけません。安全に進めるためには、次の準備が役立ちます。

借入先を漏れなく一覧にする

銀行、消費者金融、クレジットカードだけでなく、家族・知人、勤務先、家賃、携帯端末、後払いサービスなども確認します。使用していないカードや、保証人になっている債務についても相談してください。

すべての口座と財産を申告する

残高が少ない口座、長期間使っていない口座、ネット銀行、証券口座、暗号資産なども伝えます。通帳を紛失している場合は、早めに取引履歴の取得方法を金融機関へ確認しましょう。

家計表を実態どおりに作る

家計表は、支払不能の状況や今後の生活再建を確認する資料です。金額を推測で埋めず、給与明細、口座、領収書、決済アプリなどを確認し、実際の収支に合わせます。

期限のある連絡へ早めに対応する

弁護士、裁判所、破産管財人から追加資料や説明を求められたら、期限を確認して対応します。すぐに用意できない場合も放置せず、理由と用意できる時期を連絡しましょう。

分からない取引ほど先に伝える

家族への送金、現金の引出し、カードで購入した商品の売却など、問題になるか判断できない取引ほど先に伝えます。後から発覚するより、最初から説明した方が対応を検討しやすくなります。

自己破産を検討中に避けたい行為

次の行為は、管財事件になる原因、手続きの長期化、免責判断への悪影響につながる可能性があります。

  • 返済が難しい状況を偽って新たに借り入れる
  • クレジットカードで購入した商品を換金する
  • 財産を家族や知人の名義へ移す、隠す
  • 財産を相場より著しく安い価格で売る
  • 家族や知人など、特定の債権者だけへ返済する
  • 一部の借入先を債権者一覧から外す
  • 裁判所や専門家へ虚偽の説明をする
  • 裁判所から届いた書類を放置する

自己判断で借金の返済を止めたり、財産を売却したりする前に、弁護士などへ相談してください。すでに行った行為がある場合も、隠さず正確に伝えましょう。

自己破産の流れについてよくある質問

自分だけで自己破産を申し立てられますか?

本人申立ても可能です。ただし、多くの資料を収集・作成し、裁判所からの補正指示や、管財事件では破産管財人とのやり取りにも自分で対応します。
裁判所は中立な立場にあるため、どの債務整理を選ぶべきかという個別の法律相談には応じられません。本人申立てを考えている場合も、事前に法テラス、弁護士会、司法書士会などへ相談する方法があります。

依頼したらすぐに裁判所へ申し立ててもらえますか?

すぐに申し立てられるとは限りません。債務額の調査、必要書類の収集、家計表の作成、弁護士費用や裁判所費用の準備などが必要です。
申立予定時期が分からないまま積立てだけを続けないよう、必要な総額、毎月の積立額、申立ての条件を確認しましょう。

自己破産を申し立てたら督促や差押えはすべて止まりますか?

一律には止まりません。貸金業者から本人への直接の取立ては、弁護士などからの受任通知によって原則として止まりますが、すでに進んでいる裁判や強制執行には別の対応が必要になる場合があります。
訴状、支払督促、差押命令などを受け取った場合は、自己判断で放置せず、すぐに依頼先へ連絡してください。

裁判所には何回行きますか?

回数は、裁判所の運用、同時廃止か管財事件か、弁護士へ依頼しているかなどによって異なります。書面審査だけで進む場合もあれば、破産審尋、免責審尋、債権者集会などで裁判所へ出向く場合もあります。管財事件では、これとは別に破産管財人との面談が必要になるのが一般的です。

財産がなければ必ず同時廃止になりますか?

必ずではありません。財産が少なくても、事業経験、借金の原因、財産処分、特定の債権者への返済などを調査する必要があれば、管財事件になる場合があります。

免責許可決定の通知が届けば手続きは終わりですか?

通知が届いただけでは確定前です。免責許可決定が官報へ掲載され、不服申立期間を経て確定すると、非免責債権を除く借金の支払責任が免除されます。確定日を証明する必要がある場合は、裁判所へ免責許可決定確定証明書を申請できます。
自己破産のメリット・デメリットと生活への影響を見る

まとめ|申立てより前の準備が自己破産の期間を左右する

自己破産は、相談、債務調査、書類・費用の準備、地方裁判所への申立て、同時廃止または管財事件、免責に関する審理、免責許可決定の確定という順に進みます。

同時廃止では破産管財人による換価・配当を行いませんが、免責手続は別に続きます。管財事件では、財産や免責に関する調査、財産の換価、債権者集会などがあるため、長期化する場合があります。

手続きを滞らせないために重要なのは、借入先や財産を隠さず、必要資料を早めにそろえ、裁判所や専門家からの連絡へ期限内に対応することです。急いで財産を処分したり、新たな借入れで費用を作ったりすることは避けてください。

借入状況を整理するきっかけとして、借金減額相談の案内を確認する方法もあります。利用前に運営元、連絡方法、個人情報の取扱いを確認し、画面に表示される結果だけで手続きを決めないようにしてください。

公的機関の参考情報

本記事は、自己破産の一般的な流れを整理したものです。裁判所の運用、必要書類、期間、財産の取扱いは地域や個別事情によって異なります。個別の法的判断が必要な場合は、弁護士、司法書士、法テラスなどへご相談ください。

ABOUT ME
今井 洸太
今井 洸太
Life On運営者/借金解決・返済アドバイザー/債務整理アドバイザー/ファイナンシャル・プランニング資格保有/
Life Onでは、借金に困っている方に「どこよりも、誰にでもわかりやすく」をモットーとして、借金の複雑な手続きの方法や解決方法についてご紹介します。実際の体験談から自分に合った解決方法を見つけることもできます。
記事URLをコピーしました