あなたは任意整理で得する?損する?利息をカットできる任意整理の思わぬ罠
任意整理をすると、メリットがどうしても優先的に目についてしまいがちですが、任意整理をしたからといって全員が確実に解決するわけではありません。
自分に合っていない債務整理方法を選んでしまった結果、返済期間が延びたり費用が高額になってしまって、逆に損をしてしまう人も少なからずいます。
ではどうすれば、任意整理の罠にはまらずに済むのでしょうか?また、自分にあった適切な債務整理の方法を見つけるためにはどうすればいいのでしょうか?
この記事では、そんな疑問についてご紹介していきます。
任意整理の罠にハマるケース
そもそも任意整理とは、利息をカットもしくは減額して元金のみを分割で支払うといった債務整理の方法です。
よって、減額した利息の金額よりも弁護士への依頼費用の方が高いと損をしてしまいます。
ではどのような条件に当てはまると損をしてしまうのでしょうか?大きく分けて
- 借金の総額が少ない、または利息が低い
- 取引期間が短い/借入後、返済をほぼしていない
- 実績が少ない弁護士や司法書士に依頼してしまった
以上に当てはまる方です。これに当てはまる方は任意整理をしない方がいいと言えます。では次からは、以上の三つについて具体的に詳しくご紹介します。
借金の総額が少ない、または利息が低い
借金が10万円以下の場合や奨学金のように低金利の借金を借りているような人です。
任意整理自体は不可能ではありません。
しかし、こういった場合ですと減額できる利息は少なくなり、相対的に弁護士や司法書士への依頼料の方が高くなってしまいます。
例えば10万円を18%で借りていたとして、月々4000円を支払うとします。
こういった場合だと債務整理をする方が損をしまいます。このケースだと任意整理をせず、利息を含めて自力で10万円を返済した方が長期的に見て返済額が安いと言えます。
また、借入者数や金利にもよりますが、借金総額が30万円程度の場合でも損をしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
取引期間が短い/借入後、返済をほぼしていない
この場合、任意整理をすると和解条件が厳しくなる可能性があるからです。
和解条件とは、債務者と債権者が利息をカットし元本のみ支払うなどの条件に双方が納得し、和解契約(合意)を結ぶこと
任意整理の目的は、無理ない返済金額を改めて決め、その条件を借入先に認めてもらうことです。
では、何故厳しくなる可能性があるのでしょうか?それは借入先にとって取引期間が短かったり返済を怠っているとなると、儲けにならないからです。
あくまで金融会社はお金を貸して、利息を得る事で商売をしています。
よって取引期間が短かったり返済を怠っていると、金融会社は利益を得る事ができず、結果的に和解の条件が厳しくなるのです。
これらの理由によって、取引期間が短かったり返済をほぼしていない状態で任意整理をしても、ほとんど利息などを減らせず、依頼料で損をしてしまうといった事態に陥りかねません。
実績が少ない弁護士や司法書士に依頼してしまった人
任意整理は債務整理の中でも特に、弁護士と借入先の関係がとても大切になってきます。
何故かというと、任意整理は裁判所を通さずに直接借入先と弁護士や司法書士が交渉するからです。
つまり、依頼先が債務整理に慣れていないと債権者がすぐに応じてくれなかったり和解をしてくれないという可能性があります。
ですので、実績が豊富な専門家にお願いすることが任意整理を成功させるにあたって、非常に大切なことだと言えます。
ですが、弁護士と司法書士の違いについてあまりよくわからない方もいらっしゃると思います。依頼するなら自分に合った方を選びたいですよね。
下の記事では違いやメリットデメリット、料金の比較まで記載してあるのでよければ参考にしてみてください。
依頼料の方が高くても任意整理をするメリット
では、ここまで任意整理をすると損をしてしまうケースについてご紹介しましたが、逆に依頼料の方が高くても任意整理をした方がいい場合もあります。
それは一体どのようなケースでしょうか?詳しく解説していきます。
一括請求を求められている場合
借金の滞納が続くと、一括で払うように要求される場合があります。ですが、既に滞納しているのに一括で返済できる方はとても僅かなはずです。
払えない場合、借入先にお願いして分割払いにしてもらうのが一般的です。ですが、債務者は期限の利益を喪失しているので承諾してもらえない可能性があります。
期限の利益とは、借金を分割して返済できる借りている人の権利のこと
また、期限の利益は数か月滞納すると喪失するとされていることが多いです。
そのような状態になってしまうと、任意整理にしないと分割払いという方法が取れない可能性が高くなってしまうのです。
よって、状況にもよりますが例え金銭的に損をしたとしても、任意整理をするという解決策も視野にいれてもいいと言えます。
裁判所から訴状(通知)が届いている場合
裁判所から訴状が届いているにも関わらず、返済を滞らせていると最悪の場合、財産を差し押さえという事態に発展してもおかしくない状況になります。
裁判所から訴状(通知)が届いたという事はつまり、借入先から法的措置である裁判を起こされたという事です。
もしも訴えられてしまった場合は、借入先と直接交渉して和解するか、裁判での和解が必要となります。
裁判で和解となると、自分で出向く事も不可能ではないですが、やはり任意整理をして専門家にお願いするのが得策と言えるでしょう。
弁護士や司法書士に任意整理を依頼すれば、裁判になっても手続きなども全て任せられます。
そのため、手続き的なゆとりは勿論、精神的ストレスも多少軽減されるはずです。
結果的に依頼料の方が高くなってしまったとしても、こういった場合はご自身のためにも任意整理をする事をおすすめします。
- 債権者から一括でしか受け取れないと言われてしまっても、分割払いを選択することができ、無理なく支払える
- 催促などが止まり、精神的ストレスが軽くなる
- 依頼料の方が高くついてしまっても任意整理をした方が得策な場合もある
自分に合った債務整理の方法を見つけるためには?
ここまで、債務整理の落とし穴についてご紹介させていただきました。
ですが、債務整理には任意整理以外にも種類があり、何が自分に合っている手続きなのか個人では判断しにくいところです。
債務整理についてしっかり把握する
やはり、いくら専門家に依頼するとしても自分でしっかり手続き内容を把握した上で判断することが大切です。
弁護士や司法書士も、金融機関と同じように依頼者から依頼を受けることで利益を出しています。
例えば依頼料が弁護士より安い司法書士は、一社当たり140万以下であれば司法書士でも基本的には取り扱うことが可能です。
ですが初めに弁護士に相談してしまうと、依頼料が安い司法書士に依頼した方が料金が安く済みますよとは、残念ながら教えてくれません。
まずは自分でしっかりどんな手続きがあるか、自分にはどの手続きが当てはまりそうかを調べ、最低限の知識を入れた上で、判断する事が解決の近道になると言えます。
専門家に相談する
借金に困っている、どういう解決方法で解決したらいいのかわからないという場合には、専門家に相談するのが一番の近道です。
あなたの借金の借入状況等を把握した上で、適切な解決方法をアドバイスしてもらうことができます。
とはいえ、最初から弁護士や司法書士など専門家に相談するのはハードルが高い、という方もいるかと思います。
そのような方は、以下で紹介する借金減額シミュレーターを利用してみてください。
借金減額シミュレーターをする
借金減額シミュレーターは弁護士や司法書士が運営している無料の診断ツールです。
ネットから、いくつかの質問に答えるだけで簡単にあなたの借金がいくら減るのかを知ることができます。
下の記事では借金減額シミュレーターについて詳しく紹介していますので、読んでみてください。
まとめ
今回は、任意整理で得する人、損する人、手続きの落とし穴についてご紹介しました。
せっかく、借金を解決するのであれば一番自分に合った方法で借金を解決したいですよね。
債務整理となるとどうしても、専門家への依頼料などお金がかかってしまうと思いがちです。
ですが、依頼料の方が万が一高くついてしまったとしてもメリットがあるケースもあります。
自分1人で抱え込んでいても、どんな方法で解決すればいいのか正解を見つけるのは難しいと思います。
まずは借金減額しミュレーターから、自分の借金がいくら減るのか確かめてみてください。