弁護士と司法書士の違いを比較紹介。債務整理手続きでどちらを選ぶべき?
弁護士と司法書士は法律の専門家であり、それぞれの役割が異なります。
特に債務整理手続きにおいては、どちらを選ぶべきか迷う方も多いことでしょう。
本記事では、弁護士と司法書士の違いを比較しながら、債務整理手続きにおいてどちらを選ぶべきかについてご紹介していきます。
自分に合った専門家を選ぶことで、スムーズな手続きができ、より良い結果を得ることができます。
弁護士と司法書士の違いを知る必要性
弁護士とは
弁護士とは、法律問題に対して専門的な知識と技能を持ち、法律相談や訴訟などを代理する法律専門家のことです。
弁護士は、刑事事件や民事事件、家族事件など、幅広い分野の法律問題に対応します。
依頼人に代わって法律文書の作成や交渉、裁判などを行い、依頼人の権利を守るために尽力します。
また、法律に関するプロとして法律問題に関する解決方法の提供など、法的な観点から適切なアドバイスを行います。
司法書士とは
司法書士とは、法律に関する書類作成や法律手続きの代理、相談などを専門に行う法律職業の一つです。
司法書士は、法律家の中でも弁護士、裁判官、検事に次ぐ第四の法曹であり、国家資格が必要な職業です。
主な業務としては、不動産登記や商業登記、遺言書や契約書の作成、債務整理の手続きの代理、相続手続きの代理などがあります。
また、弁護士と比較すると相談料や手続き費用が安く、任意整理や個人再生などの債務整理をすることが可能です。
違いを知ると
弁護士と司法書士の違いを知ると、どちらが自分にとって適切な依頼先なのか判断することができます。
間違えてしまうと結果的に解決までの道のりが長くなってしまうかもしれません。下記ではしっかりと弁護士と司法書士の違いを解説していきます。
債務整理においての違い
弁護士の場合
弁護士は、任意整理の法律相談や相手との交渉、提訴など、依頼人の借金額に制限なく対応できます。
また条件に当てはまれば、任意整理手続きと過払い金返還請求を同時に行うことができ、過払い金がある場合は地方裁判所に提訴することも可能です。
弁護士は、事情が複雑だったり借金以外にも悩みがあったとしても、法的な手続き全てに対応できるため人によっては結果的な根本的解決が早くなる可能性もあります。
司法書士の場合
弁護士と同じく、司法書士も任意整理の法律相談や相手との交渉、訴訟に対応することが可能です。
ただし、司法書士が担当できるのは借金が一社当たり上限140万円までの場合に限り、借金総額が140万円を超える場合は、弁護士にしか依頼できません。
もしも、司法書士に依頼した後に借金総額が140万円を超えていることがわかった場合、交渉弁護士に再度依頼する必要があります。
また、司法書士が訴訟代理人を務められるのは簡易裁判所のみです。簡易裁判所以外の、地方裁判所や家庭裁判所などは対応できないため注意が必要です。
債務整理のメリットデメリットや種類など、詳しく知りたい方は下記の記事を是非読んでみてください。
弁護士に依頼するメリット
では弁護士に依頼するメリットとはなんでしょうか?弁護士に依頼すると下記のようなメリットがあります。
- 早期解決が望める
- 司法書士にはできない手続きも可能
早期解決が望める
過払い金返還請求などを地方裁判所に提訴した場合、貸金業者側も弁護士を雇って対応しなければいけません。
そのため、弁護士に依頼していると貸金業者側も地方裁判所への提訴となるまえに和解に応じる可能性が高く、結果的に借金問題の早期解決が望めます。
また、自己破産などは裁判所を通して行う手続きです。
自分で手続きをすることも可能ですが、弁護士に代理してもらい自分の負担を減らすこともできます。
司法書士にはできない手続きも可能
弁護士は債務整理における法的な全ての手続きをすることが可能です。
例えば、自己破産は司法書士には扱えないことが多い手続きです。もしも自己破産を検討されている場合は、司法書士ではなく弁護士に依頼する流れになります。
自己破産についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照ください。
司法書士に依頼するメリット
一方、司法書士に依頼するメリットとはなんでしょう?司法書士に依頼するとこのようなメリットがあります。
- 債務整理に特化できる環境
- 弁護士に比べて費用を抑えることができる
- 事務所数が多い
債務整理に特化できる環境
司法書士が対応できるのは先程書いたように、一社当たり140万円までです。
そのため、あらかじめ140万円以下の借金の債務整理や過払い金請求に特化した対応をおこなっている司法書士も多くなっています。
あきらかに一社あたりの借金が140万円以下の場合は、より債務整理の手続きや交渉に特化した司法書士が見つけやすい傾向が強いです。
ただし、自己破産や個人再生では書類作成代行のみの対応となるため、申立てなどは依頼者本人が行わなければいけません。
弁護士に比べて費用を抑えることができる
司法書士に債務整理を依頼した場合と、弁護士に債務整理を依頼した場合だと、司法書士に依頼する方が、費用を安く済ませることができます。
これは、本来弁護士にくらべて司法書士の業務内容の幅が狭いためです。
しかし、債務整理に関しては、弁護士と司法書士で基本的な業務の違いはありません。
そのため、同じ目的で弁護士と司法書士で悩んでいるのであれば、司法書士に依頼した方が費用を抑えることができます。
事務所数が多い
司法書士は弁護士よりも事務所数が多いので、費用や実績の有無を比較しながら選ぶことができます。
事務所数が多いと、相談した司法書士事務所が自分に合わないと感じても、他の事務所を検討するという選択も可能です。
また、自宅から足を運びやすいかということも事務所選びの選択として大切になってきます。
どの債務整理をするにしても、何度か足を運ぶ必要性があります。
司法書士事務所は数が多い分、全国各地に事務所が展開されているので、自宅から近い事務所を選ぶという選択肢も検討できるということです。
実際の料金の比較
実際、司法書士の方が料金が安いといってもどのくらい違うのでしょうか?
弁護士より安いとはいえ、そこまで違いがないなら出来る手続きが多い弁護士に依頼するか迷います。
借金のお悩みとしては尚更、かかる費用を考えてしまいますよね。
同じ手続きをすることになるなら、安く済むに越したことはありません。
この項目では、実際に弁護士と司法書士だとどのくらい費用が変わるのか比較していきます。
- 任意整理:5~15万円程度
- 個人再生:50~80万円程度
- 自己破産:30〜130万円程度
- 任意整理:2〜4万円程度
- 個人再生:40〜50万円程度
- 自己破産:40〜60万円程度
債務整理で弁護士や司法書士を選ぶ際のポイント
どちらも事務所選びが大切
弁護士も司法書士も法律に関して幅広く扱っているため、専門家と一括りに言っても、債務整理に関して得意な事務所とそうでない事務所があります。
例えば、安い事務所でも所属している司法書士に債務整理の経験がないと、手続きに時間がかかってしまうケースも実際に起こりえます。
また、どちらとも事務所によって料金設定が異なるため事前に確認しておくことが大切です。
専門家に相談する
相談した弁護士や司法書士が債務整理に強いかどうかは、実際のところ相談してみないと判断しかねる部分ではあります。
また、例えば司法書士にお願いしたいと思っていても、弁護士でしか扱えない事例だったという事もあります。
まずはご自身で判断するのではなく司法書士に相談し、その司法書士が取り扱えるものなのか聞いてから弁護士に相談するのが一番手間がかからない可能性が高いです。
また、相談先として国の制度である法テラスを頼るというのも一つの手段です。
まとめ
この記事では弁護士と司法書士の違いについて詳しく解説いたしました。
司法書士の方が費用をおさえられるというメリットがありますが、債務整理手続きや借金総額によっては結局弁護士に再依頼しなければいけない場合があります。
また、費用面だけではなく弁護士と司法書士、どちらに依頼するべきかは借金総額や状況によっても異なります。そのため、複数の事務所を比較することが大切です。
どちらかご自身で迷っている場合は、そもそもどちらが適切なのかをついても無料で相談することができるので、一度試してみることをおすすめします。