自己破産とは?手続きをすると「人生が終わる」は誤解!
「自己破産ってよく聞くけどいまいちわからない」
「家のもの全部持っていかれちゃうの?」
借金解決と聞くと、自己破産を思い浮かべる方が多いと思います。今回は借金解決方法の最終手段として有名な自己破産について
- どんな手続きなのか
- メリット・デメリット
- よくある勘違い
以上の3つについて詳しくご紹介していきます。
自己破産手続きの特徴と仕組み
自己破産とは、借金の支払いを全額免除してもらう手続きです。(借金の免責)
全額免除してもらうためには、裁判所で支払不能であることを認めてもらわなければなりません。
自己破産をすると、自分が持っている20万円以上の財産と、99万円以上の現金を返済に充てます。
そのため、車や家、土地などの高額な財産は没収されることになります。
逆に言えば、それ以外の家電や家財は没収されず手元に残すことができます。車も中古価格で評価されるので、高級車じゃない限り没収される心配はありません。
自己破産のメリット・デメリット
メリット
自己破産をすると
- 借金の支払い義務がなくなる
- 取り立てや督促がストップする
以上2つのメリットがあります。
自己破産の最大のメリットは借金の支払い義務がなくなることです。これを「免責」と呼びます。
裁判所で免責が認められると、今まで背負っていた借金の支払いをしなくていい状態になります。
デメリット
自己破産の最大のメリットは借金がなくなることです。しかし、デメリットもあります。
- 信用情報機関に事故情報が登録される
- 持ち家、土地など高額な財産が没収される
- 官報に掲載される
- 保証人に影響が出る
- 税金は免責されない
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。一般的にブラックリストと呼ばれているものです。
ブラックリストになると、新しくクレジットカード登録やローンの契約ができなくなります。
しかし、一生契約できないわけではなく、自己破産の場合は手続き完了から10年ほどでブラックリストが解除されます。
また、財産が没収されますが全て没収されるわけではなく、中古価格20万円以上の財産が没収の対象です。
そのため、生活に必要なものまで没収されることはありません。
自己破産しても借金がなくならないこともある?
自己破産をしても、免責不許可事由に該当する借金をすると、借金が免除されない場合があります。
免責不許可事由とは、自己破産をしても借金の免責が認められない理由となる借金理由等のことです。
免責不許可事由の内容については、以下のようなものがあります。
- 財産があるのに財産目録から外す等を行い財産を隠した(財産の隠匿等)
- クレジットカードで買い物した商品を換金、ショッピング枠の現金化をした(換金行為等)
- 特定の借入先にだけ偏った返済をした(偏頗弁済)
- 収入を大きく超える買い物や、ギャンブルによる借金をした(ギャンブルや浪費による財産の減少)
- 破産申し立てをする1年以内に、所得証明書や身分証明書などを偽って借入をした(詐欺的な借り入れ)
- 破産手続きを行う裁判所で虚偽の手続きや報告をした
- 過去7年以内に免責許可を受けた
しかし、免責不許可事由によって借金が免除されないケースはかなり珍しく、詐欺的な借入等、悪質な借金じゃない限りほとんどが免責されます。
自己破産の費用相場
自己破産をするのにも費用かかかります。大きく分けると以下の3つです。
内訳 | 金額 |
---|---|
弁護士・司法書士費用 | ¥200,000〜¥500,000程 |
予納金 | ¥10,000~¥500,000程 |
手数料(印紙代・郵便切手代) | ¥5,000程 |
自己破産の費用総額は、おおよそ¥300,000〜¥600,000ほどです。
決して安い額ではないので、すぐに支払うことができない、お金を用意できないという方もいるでしょう。
そう言った方は、法テラスを利用したりすることで対処できます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
自己破産でよくある勘違い
家のもの全部持ってかれちゃう?
ドラマとか見てると、自己お破産をした家庭は全部没収されちゃって、何もかもなくなってしまうのを見かけます。。。
自分が自己破産をしたときに、全部持って枯れてしまわないか不安です。
確かに、自己破産をすると財産が没収されます。
しかし、例外も認められており、最低限生活に必要な家具、家電(パソコン、テレビなどを含む)や衣類などを失うことはありません。
安心して手続きを進めて問題ありませんよ。
自己破産したことで会社をクビにされる?
自己破産をしたことが会社にバレたら、クビにされてしまうのでしょうか。
自己破産がバレたことで会社にクビになることはありません。
自己破産を理由として会社をクビにするのは違法です。
自己破産をすると元の生活に戻るのは不可能?
自己破産って聞くと、元の生活に戻ることができなくなって、もう死ぬしかないんじゃないか、、、という印象を受けます。
自己破産をはじめとして、債務整理手続きは借金をしすぎてしまった人が元の生活に戻るための制度です。
そのため、借金で死ぬしかないと思っている人を助けるのが債務整理の目的です。
自己破産手続きの流れ
まずは、借金減額シミュレーターを利用して、無料で自分の借金が減額できる可能性があるか確かめます。
借金減額シミュレーターを使ったからといって、必ずしも手続きを行わなければならないというわけではないので安心してください。
⇒借金減額シミュレーターを使ってみる
自己破産を行うには、法律の専門家と面談する必要があります。
現状の借入状況や返済状況などを聞き取り、的確な借金解決方法をアドバイスしてくれます。
自己破産することが確定すると、法律の専門家は各借入先に「受任通知」を送ります。これによって、督促や取り立てが止みます。
また、法律の専門家が借入先に対して取引履歴の開示請求を行います。
自己破産をすることが確定すると、破産と免責の申し立てを行います。
法律の専門家に従って、申し立て書類を完成させ、裁判所に提出します。
申立書には、収支に関する資料、資産に関する資料、家計状況がわかる資料などの添付が必要です。
自己破産は自分が持っている財産を換金して、返せる金額を返してから免責許可を受けます。
財産の調査や換金、自分に代わって財産に関しての意見を言うなどの役割をはたすのが、破産管財人です。
破産管財人が決定すると、自己破産の手続きが開始されます。
財産の調査が終わると、財産を換金する換価業務と債権者に配当金として分配する配当手続きに入ります。
管財人に任せておけば終わるので、しばらく待機です。
債権者集会では、自分が借入をしている会社が集まって、集会が行われます。
債権者集会が終わると、1週間から1ヶ月で裁判所から免責決定通知が出されます。
この通知が出された時点で、借金の支払い義務がなくなり、借金から解放されます。
これが、自己破産の管財手続きの流れです。
自己破産には、同時廃止手続きという手続きもあり、自己破産をした人に没収する財産がない場合は同時廃止手続きとなります。
同時廃止手続きの場合は、破産申し立てをして即日で手続きが終了となり1ヶ月〜2ヶ月で免責許可が裁判所からおります。
まとめ
自己破産は今までの借金を帳消しにできる強力な制度です。しかし、財産が没収されるなどデメリットも大きい制度になります。
任意整理や個人再生など、他の解決方法で対応可能かどうか見極めながら利用しましょう。
また、法律の専門家の力を借りることで、自分に合っている借金解決方法は何か知ることができます。
専門家のハードルが高いという場合は、まず、借金減額シミュレーターで自分の借金がいくら減るのか確かめてみてください。